形状エラーの特定方法 (第 1 部)


形状エラーの特定方法 (第 1 部)

Author
Message
Zemax_Japan
Zemax_Japan
Forum Member
Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)

Group: Administrators / Zemax Staff
Posts: 257, Visits: 2.8K
概要 : この記事では以下の内容を取り上げています。
  • Zemax をノンシーケンシャル モードで使用した場合に、形状エラー (エラー 10561) が発生するさまざまな理由
  • これらのエラーの診断方法
著者 : Dan Hill

公開日 : 2015 年 8 月 4 日

サンプル ファイル :

対象 : エラー メッセージ


はじめに

Zemax で得られた結果が信頼できるものであることの確認は重要です。特に、ノンシーケンシャル (NS) モードでは、他のオブジェクトの内部に別のオブジェクトを置いた配置のような、きわめて複雑な形状を作成することがあります。作成過程に誤りがあるかどうかを確認する手段を検討する必要があります。

Zemax のノンシーケンシャル モードまたは混合モードでの設計 (シーケンシャル/ノンシーケンシャル混合モード) では形状エラーが発生することがあります。Zemax では、設計の中に光線追跡方法が不明確な部分が見つかると形状エラーが発生します。これらのエラーは、ユーザー インターフェイス経由で発行されるほか、解析を実行しているときは光線データベースにもログで記録されます。エラーを報告する機能は、正しい結果が得られたことを確認できるようにすることを目的としたものであると理解する必要があります。これらのエラーを追跡することによって、正確な光学系の設計になっていることの確証に到達できます。
形状エラーが発生した場合は、そのエラーの発生源と評価方法を判断できる必要があります。Zemax には、これらの疑問に対する回答を提供する効果的なツールが用意されています。この記事では、これらのツールについて説明します。

予想できることですが、形状エラーは 1 つではありません。エラーが発生する状況とその理由はさまざまです。この記事では、形状に関連するエラーで広く見られる原因を取り上げ、それらのエラーの特定方法と修正方法について説明します。突き詰めれば、これらの手法は作成したファイルの診断に効果的であり、発生した形状エラーに即刻の対応が必要かどうかを判断する際にも支援手段となります。次の表は、形状に関連したエラーで最も多く見られる 3 種類の原因をまとめたものです。

原因説明
入射ポートおよび射出ポートの配置が無効ノンシーケンシャル コンポーネント (NSC) グループでは、入射ポートと射出ポートはどのようなオブジェクトとも交差できません。さらに、射出ポートは、ノンシーケンシャル (NS) オブジェクトの面と直接接することはできません。両方のポートが、NSC グループにあるどのオブジェクトからも貼り合わせ距離以上の距離を維持しているようにする必要があります。
光源の配置が無効光源を体積オブジェクトの内部に配置することはできますが、NSC エディタで [内部配置] (Inside Of) フラグでそのような配置を指定しておく必要があります。体積オブジェクトの境界に重なるように光源を配置することはできません。光源オブジェクトの配置が誤っていると形状エラーが発生します。
ソリッド オブジェクトの構造が無効ポリゴン オブジェクトやインポートしたオブジェクトなどのユーザー定義オブジェクトの定義が不適切なことがあります。たとえば、ポリゴン オブジェクトが完全に閉じていないと、光線がそのオブジェクトを離れる時期を Zemax で判断できないので形状エラーが発生します。

エラー メッセージに記述されている情報

混合モード光学系での作業では、発生するあらゆる形状エラーの原因が、入射ポートまたは射出ポートあるいはその両方の無効な配置にあることが多く見られます。なお、エラー メッセージには、光線追跡の中でエラーが発生した場所に関する貴重な情報が記述されています。この点は、特に純粋な NSC 光学系でいえることです。報告される形状エラー メッセージの例を以下に示します。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/d83b4958-ded6-425f-bcbf-5f25.jpg

このエラー メッセージは、正常に追跡できなかった最初の光線に関する情報を示しています。
  • 行 1 - 1 行目には、NSC グループの面番号と、光線の発生元の光源オブジェクト番号が記述されています。NSC グループの面番号は、レンズ データ エディタのノンシーケンシャル コンポーネント面の面番号に相当します。この情報は、混合モードの光学系に複数の NSC グループが存在する場合に効果的です。純粋なノンシーケンシャル光学系では、NSC グループの面番号は必ず 1 です。光源番号は、NSC エディタに記述された光源のオブジェクト番号に相当します。混合モード光学系のシーケンシャル光線に起因する光線エラーの場合、この光源番号はゼロです。
  • 行 2 - エラー メッセージの 2 行目には、エラーが検出された NSC オブジェクトの番号が記述されています。
  • 行 3 と行 4 - 形状エラー メッセージの 3 行目と 4 行目には、グローバル座標での光線の最初の位置と方向余弦に関する情報が記述されています。混合モード光学系の場合、グローバル座標の基準は入射ポートの頂点です。混合モード光学系を更新する際には、光学系のさままな特性を判断するために Zemax では内部的に特定の光線を発する必要があります。
したがって、このように内部的に使用されているどの光線からも、上記の方向余弦と位置が報告される可能性があります。つまり、この光線は必ずしも、3D レイアウトの設定などで定義されているものであるとは限りません。これらの情報が得られると、設定に誤りがあることが明確に判明することもあれば、エラーが検出された光線の伝搬を詳しく解析することが必要になることもあります。エラーが発生した光線の方向余弦と開始位置がわかっているので、対象の光学系を通じた伝搬をシミュレーションする光源 (光線) を設定できます。これはそれほど難しい作業ではありませんが、Zemax にはこのプロセスを自動化するツールが用意されています。このツールについて次のページで説明します。


[エラー光線を生成] (Create Error Ray) ツール

形状エラーを発行した Zemax では、エラー発生元の光線の位置と方向余弦の情報が保存されます。これらの開始値を使用して、エラーが発生する光線を再現する単一の光源 (光線) を生成できます。形状エラーが発行されたときは、[設定] (Setup) → [エラー光線を生成] (Create Error Ray) を選択して、このような光源光線を生成できます。



このオプションを選択すると、NSC エディタで該当の位置と方向余弦で自動的に光源 (光線) が生成され、[描画光線数] (# Layout Rays) と [解析光線数] (# Analysis Rays) がゼロに設定されて他の光源がすべてオフになります。形状エラーのテスト光線が設定されれば、レイアウトや Zemax 光線データベース ビューアなどの診断ツールを使用して、無効な光線追跡の原因を絞り込むことができます。この操作の際に、[エラーを無視] (Ignore Errors) フラグを一時的にオンにすると、エディタでプロットの回転やカーソルの移動を実行するたびにエラー メッセージが発行されることがなくなるので効率的です。



このフラグはグローバル スイッチなので、[光線追跡コントロール] (Ray Trace Control) ウィンドウまたは [ディテクタ コントロール] (Detector Control) ウィンドウの [エラーを無視] (Ignore Errors) チェックボックスも同様に設定されます。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/1b06feb8-45c8-4856-8f6e-8dc3.jpg

光線追跡の詳細を保存または表示するには、[エラーを無視] (Ignore Errors) をチェックし、.ZRD を拡張子とした任意のファイル名で光線を保存します。

光線データベース ([解析] (Analysis) → [データベース] (Database) → [光線データベース ビューア] (Ray Database Viewer)) で、エラーが発生した位置 ([Z] (Z) 列 に * が記述されている位置) までの光線の伝搬を詳しく確認できます。このようにして、光線の追跡が中断したときに到達していたオブジェクト、そのオブジェクトの面番号、および伝搬履歴全体を判断できます。エラーが発生しないように光線追跡を続行するうえで、設定のどの部分で修正が必要であるかを見極める際に、この機能がきわめて効果的です。




形状エラーの特定方法を知っておくことが重要な理由

形状エラーは、誤った光線追跡結果の原因となる重大な不具合が設計にあることを示している可能性があります。したがって、エラーの発生源を判別できることが重要です。一方で、問題のない光学系であっても、少数の光線エラーが発生する可能性があることは認識しておく必要があります。このようなエラーの主な原因は、これらの光線がフェーセットどうしまたは面どうしの境界に入射したために、面との正確な交差点を計算できないことにあります。これらの光線は、Zemax によって内部的に捕捉されて吸収または終端されることが普通です。ほとんどの場合、これらの光線に伴うエネルギー損失量は、設計で定義されているすべての光源の合計パワーに比較すると微々たるものです。したがって、これらの光線が最終的な光学系の結果に有意な影響を及ぼすことはないので、無視しても問題はありません。

ここでは、エラーが発生した光線によって失われるエネルギーが占める比率を判断する方法を考えます。

光線追跡が完了すると、閾値に起因するエネルギー損失とエラーに起因するエネルギー損失が報告されます。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/43d5a68c-d68e-4375-bac3-2e89.jpg

これらの値はワットなどの絶対単位で表されます。このエネルギー損失の値が大きい場合は調査が必要です。エネルギー損失がきわめて少ない場合は、数本の光線を追跡できなかったに過ぎないと考えられるので、これらの損失は無視できます。エネルギー損失が、無視できるほど少ないかゼロであれば、光線追跡の結果が確実に正しいと判断できるので、以降の設計を続行できます。

まとめと参考文献

光線をどのように追跡するかが不明になると、必ず形状エラーが発行されます。一般的な原因は、オブジェクトと面の配置が曖昧であるか誤っていることにあります。その例として以下のようなものがあります。
  • 混合モードで入射ポートと射出ポートの配置が無効
  • ノンシーケンシャル光源の配置が無効
  • ソリッド オブジェクトの構造が無効
発行された形状エラーを使用して、光学系の定義に存在する問題を追跡できます。形状エラーを完全には解消できないこともありますが、それがわずかな本数の光線によるものであれば問題はありません。多くの場合、このようなエラーに伴う形状エラーはごくわずかであり、無視できます。
形状エラーの検出と診断の例については、この 2 部構成の記事の第 2 部を参照してください。

Design Examples: How To Locate Geometry Errors Part II


参考文献

OpticStudio ヘルプの PDF、Zemax LLC
GO


Similar Topics


Login
Existing Account
Email Address:


Password:


Select a Forum....



































Zemax Users Forum


Search