FFT PSF とホイヘンス PSF の差異


FFT PSF とホイヘンス PSF の差異

Author
Message
Zemax_Japan
Zemax_Japan
Forum Member
Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)

Group: Administrators / Zemax Staff
Posts: 257, Visits: 2.8K
概要 : この記事では、ホイヘンス PSF と FFT PSF の計算について説明し、FFT PSF の妥当性を簡単に検証して、最後にホイヘンス法による計算が必要な光学系パラメータの一覧を示します。

著者 : Betsy Goodwin

公開日 : 2015 年 10 月 30 日

サンプル ファイル : 記事添付ファイル

対象 : OpticStudio / 解析機能



はじめに

光学系の点像強度分布 (PSF) とは、物空間の点光源から放射される光によってその光学系の像面に得られる像です。実際の光学系では、主に 2 つの原因で像空間に完全な点像が結ばれません。まず、実際の光学系では、収差によって像が有限の領域に広がります。次に、十分な補正によって無収差とした光学系でも、回折効果によって像が広がります。

詳細は、ナレッジ ベース「点像強度分布 (PSF) とは」を参照してください。

OpticStudio には、回折に基づく 2 種類の PSF 計算機能として、高速フーリエ変換 (FFT) とホイヘンス法が用意されています。これら 2 種類の解析計算方法の大きな違いは、FFT PSF が瞳空間での計算であることに対し、ホイヘンス PSF は像空間での計算である点です。
このため、ローカル座標のシフトが存在する場合は、FFT PSF よりもホイヘンス PSF に信頼性があることが普通です。

この記事では、ホイヘンス PSF と FFT PSF の計算について説明し、FFT PSF の妥当性を簡単に検証して、最後にホイヘンス法による計算が必要な光学系パラメータの一覧を示します。


ホイヘンス PSF

ホイヘンス PSF の計算は、主光線が像面と交差する点で像面と直交する平面上で実行します。ノンシーケンシャル モードで設計した光学系も含め、ほぼあらゆる光学系で効果的です。この計算に想定されている唯一の前提条件は、瞳で適切なサンプリングが実行されていることです。

光学系のホイヘンス PSF は、光源位置から像面まで光線のグリッドを追跡することで求めます。光線ごとに、振幅、座標、方向余弦、光路差 (OPD) を使用し、像空間グリッドの各点に入射する平面波の複素振幅を計算します。像空間グリッドのすべての点で、すべての光線のコヒーレント和を求め、得られた複素振幅の合計の 2 乗が各点の強度になります。

この手法では、波面の各点が、振幅と位相を備えた完全な点光源であると見なします。
各点光源が、球面の「ウェーブレット」を放射します。点光源からの放射が空間を伝搬するとき、その波面の回折は放射されたすべての球面ウェーブレットの複素和から求めることができます。OpticStudio では、各光線を平面波の波面に変換し、それらすべてを像面で干渉させることによって、この演算を実現しています。こうして得られた結果がホイヘンス PSF です。

下図は、サンプル ファイル Cooke 40 degree field によるホイヘンス PSF の計算例です。このファイルは、この記事の冒頭に添付されたアーカイブ ファイルに収録されています。下図は、ホイヘンス面 PSF、その下はホイヘンス疑似カラー PSF です。OpticStudio でシーケンシャル光学系のホイヘンス PSF を計算するには、[解析] (Analyze) → [像質] (Image Quality) → [PSF] (PSF) → [ホイヘンス PSF] (Huygens PSF) を選択します。






FFT PSF

FFT PSF はホイヘンス PSF よりも計算が高速ですが、計算を実行するにはいくつかの前提を置く必要があり、それによって有効な適用領域が限られています。

FFT 法では、波面の複素振幅のフーリエ変換を使用して光学系の回折 PSF を計算します。波面の複素振幅は、射出瞳の中で主光線に直交する平面上で測定します。射出瞳の中で光線のグリッドが示す振幅と位相を計算し、遠視野で FFT を実行して、回折像の強度を求めます。

光学系の FFT PSF では、光線のグリッドを光源位置から像面まで追跡したうえで、このグリッドを射出瞳まで逆方向に伝搬させます。
光線ごとに、振幅と光路差を使用して、波面上の点の複素振幅を計算します。このグリッドの FFT を 2 乗して、実数化した PSF を求めます。

FFT PSF で有効な結果を得るには、ホイヘンス計算よりも多くの前提条件を満足している必要があります。FFT PSF を実行するには、光学系が F/1.5 またはそれよりも低速であること (F/# が 1.5 より大きいこと) が必要です。また、像面が光学系の遠視野にあり、主光線が像面にほぼ直交している必要があります。さらに、正確を期すために、FFT の計算では、余弦空間で均一な光線分布が射出瞳に形成される程度に、瞳収差が最小限であると仮定します。

シーケンシャル光学系の FFT PSF を計算するには、[解析] (Analyze) → [像質] (Image Quality) → [PSF] (PSF) → [FFT PSF] (FFT PSF) を選択します。NSC 光学系では FFT PSF を計算できません。下図は、この記事の冒頭に示したアーカイブ ファイルにある 2 番目のコンフィグレーションで計算した FFT PSF とホイヘンス PSF の例です。この光学系は像面がティルトしているので、主光線が像面に直交しているという前提が成立していません。この光学系に対する FFT PSF の結果は不正確ですが、ホイヘンス PSF の結果は正確です。






FFT の妥当性検証

入射瞳と射出瞳で光線が占める座標の間に、位置空間と角度空間の両面で妥当な線形関係があることを検証するには、有効な範囲の FFT PSF がその光学系で得られるかどうかを確認する簡単なテストを実行します。

像面に到達する光線が余弦空間で示す均一性を検証するには、[解析] (Analyze) → [像質] (Image Quality) → [光線とスポット] (Rays and Spots) → [標準スポット ダイアグラム] (Standard Spot Diagram) をクリックします。アクティブ ウィンドウ上部の [設定] (Settings) を選択し、[方向余弦] (Direction Cosines) ボックスをチェックします。得られるグラフが比較的均一であれば、FFT PSF から有効な結果が得られます。光線の収差が大きい場合は、ホイヘンス解析を使用する必要があります。

下図は、余弦空間で表示したスポット ダイアグラム解析であり、均一な光線グリッドが得られています。これは、この記事の冒頭に掲載した Cooke トリプレットのサンプル ファイルによるスポット ダイアグラムです。余弦空間で見た像面で均一な光線グリッドが得られている例です。これによって、この光学系では FFT PSF に有効な結果が得られることを確認できます。



この光学系の像面を Y 軸を中心として 45°、Z 軸を中心として 45°ティルトして (添付ファイルのコンフィグレーション 2 と同様)、余弦空間のスポット ダイアグラムを再計算すると、下図のように非均一な結果が得られます。この場合は、ホイヘンス PSF を使用する必要があります。




結論

FFT PSF は計算が高速で、多くの光学系で有効ですが、その有効性を制限する 3 つの主要な前提条件があります。FFT 計算に必要な前提条件が成立しない光学系では、この解析は無効であることも考えられ、その場合はホイヘンス法を使用する必要があります。FFT 計算を使用するには、その光学系が以下の条件を満足している必要があります。
  • 像面が遠視野にある。
  • 主光線が像面に直交する。
  • 線形の瞳マッピングにより、余弦空間で像面に均一に分布する光線グリッドが得られる。
疑義がある場合は、FFT 法とホイヘンス法の結果を比較し、差異がある場合はホイヘンス法の計算を使用します。

GO


Similar Topics


Login
Existing Account
Email Address:


Password:


Select a Forum....



































Zemax Users Forum


Search