OpticStudio のダイナミック CAD リンクの使用方法


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概要 : この記事では、SolidWorks®、Autodesk Inventor®、PTC Creo Parametric® のパートを OpticStudio の中で動的に開き、編集する方法を取り上げます。

著者 : Akash Arora、Kristen Norton、Thomas Pickering (更新)

公開日 : 2016 年 7 月 18 日

サンプル ファイル : 記事添付ファイル

対象 : OpticStudio / CAD データ交換 / ノンシーケンシャル光線追跡 / 照明および迷光 / 最適化 / 初めてのユーザー / よくある質問



はじめに

照明設計は、数学的方程式では容易に記述できない複雑なオブジェクトのモデル化を必要とすることから、ほとんどの光線追跡プログラムにとって難度が高い対象です。大半のソフトウェア コードでは、球や立方体などの基本的な形状と、非球面や CPC などの広く使用されている設計形状は容易にモデル化できますが、これらのオブジェクトの組み合わせではモデル化できないような複雑なオブジェクトでは事情が異なります。さらに、これらのオブジェクトの形状をパラメータで制御する必要があることも考えられます。IGS、STP、SAT などのファイル形式を使用した CAD データ交換機能には、この水準の柔軟性はありません

OpticStudio Premium では、SolidWorks のパート ファイル (*.SLDPRT)、Autodesk Inventor のパート ファイル (*.IPT)、PTC Creo Parametric のパート ファイル (*.PRT) をノンシーケンシャル光学系で動的に開くことができます。ネイティブの CAD パートを、それに関連付けられたノンシーケンシャル オブジェクトを使用して、ノンシーケンシャル コンポーネント エディタに容易に取り込むことができます。


図 1 :CAD パートに動的にリンクしたノンシーケンシャル オブジェクト。

オブジェクトに定義された明示的な寸法は、どれもノンシーケンシャル コンポーネント エディタで利用でき、パラメータで制御できます。また、OpticStudio では、各パートが他のあらゆるオブジェクトと同様に扱われるので、コーティング特性や散乱特性の割り当て、黒体放射としてのモデル化、アレイでの複製などをはじめとする多数の処理が可能です。これにより、光学設計部門と照明設計部門では、機械設計部門で使用したファイルをそのまま使用して作業できます。ファイル形式の変換は不要です。ここでは、SolidWorks を例として、このダイナミック CAD 機能について説明します。


CAD ソフトウェアのインストール

OpticStudio のダイナミック CAD リンク機能を使用するには、次のように CAD ソフトウェア パッケージをインストールしておく必要があります。
  • CAD パート : SolidWorks" オブジェクトを使用するには SolidWorks® 2017 をインストールする必要があります。このオブジェクトは、SolidWorks のパート ファイル (*.SLDPRT) に動的にリンクします。
  • CAD パート : Autodesk Inventor" オブジェクトを使用するには Autodesk Inventor® 2018 をインストールする必要があります。このオブジェクトは、Autodesk Inventor のパート ファイル (*.IPT) に動的にリンクします。
  • CAD パート : Creo Parametric" オブジェクトを使用するには PTC Creo Parametric® 4.0 をインストールする必要があります。このオブジェクトは、Creo Parametric のパート ファイル (*.PRT) に動的にリンクします。
* OpticStudio のテクニカル サポートでは、SolidWorks、Autodesk、Creo のインストールに関するサポートは提供できません。


CAD パート : Creo Parametric オブジェクトまたは CAD パート : SolidWorks オブジェクトのいずれかを使用する場合は、OpticStudio にパートをロードする前に対応するアプリケーションを開いておく必要があります。また、OpticStudio の実行中はそのアプリケーションを開いたままにして、OpticStudio と作成プログラム間で常に通信を確保しておく必要があります。
一方、CAD パート : Autodesk Inventor オブジェクトを使用する場合は、OpticStudio に Inventor パートをロードする前に、Autodesk Inventor を起動する必要はありません。Autodesk Inventor オブジェクトの場合、Inventor はサイレント モードで自動的に起動します。つまり、Inventor アプリケーションは画面のどこにも表示されませんが、タスク マネージャのリストにはそのプロセスが表示されます。OpticStudio の実行中はこのプロセスを実行することで、OpticStudio と Autodesk Inventor 間で常に通信を確保しておく必要があります。どの場合でも、OpticStudio 内部でパートを変更できるようにするには、OpticStudio とそのパートを作成したプログラムとの間で常時通信が必要です。


SolidWorks による例

ここでは、無償の CAD 素材を配布しているウェブサイト GrabCAD を使用して入手した SolidWorks パート ファイルを使用します。OpticStudio を使用して、次に示すランプをパラメータでモデル化することを目指します。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/75f7e0c5-086a-4e6a-92ed-9d50.jpg
図 2 :GrabCAD 同様にレンダリングしたランプ : https://grabcad.com/library/schone-1。

この *.SLDPRT ファイルは、この記事に添付されているほか、GrabCAD のウェブサイトからダウンロードすることもできます。
"https://grabcad.com/library/schone-1

SolidWorks でこのパートを調査することから着手します。FeatureManager デザイン ツリーには、このランプの作成に使用されたフィーチャーと寸法が表示されます。


図 3 :SolidWorks によるランプのフィーチャー。

FeatureManager デザイン ツリーでこのフィーチャーをクリックすると、関連の寸法がウィンドウに表示されます。

次のスクリーンショットでは、Sketch1 の作成に使用された寸法を確認できます。


図 4 :ランプの寸法。

参考までに、Sketch1 の寸法を以下に示します。
  • D1 =100 mm
  • D2 = 10 mm
  • D3 = 70°
  • D4 = 125 mm
  • D5 = 50 mm
  • D6 = 120 mm
  • D7 = 70°
この *.SLDPRT ファイルを OpticStudio で開くと、Sketch1 の寸法がノンシーケンシャル コンポーネント エディタで関連付けられ、そこで編集できます。OpticStudio では、これらの寸法にデフォルト名 Dx@Sketch1 のラベルが自動的に付与されます。x は、Sketch1 の各寸法に割り当てられた整数の番号です。同様に、Revolve2 の寸法 (360°の 1 点のみ) にはラベル D1Revolve2 が付与されます。

フィーチャーと寸法の名前は SolidWorks で変更できるので、このようなラベリングによって、以降の修正を OpticStudio でわかりやすいものにすることができます。この変更を実行するには、FeatureManager デザイン ツールでフィーチャー名を右クリックし、表示されたメニューで [フィーチャー プロパティ] (Feature Properties) を選択します。


図 5 :Sketch1 を右クリック。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/af7c0d4c-77bb-4829-bb5e-a1d1.jpg
図 6 :Sketch1 のフィーチャー プロパティ。

Sketch1 の寸法に対しても同様の操作が可能です。上図のようにデザイン ツリーで Sketch1 を選択し、レイアウトで寸法を右クリックします。表示されたメニューで [寸法のコンフィギュレーション] (Configure Dimension) を選択し、セル名 (以下の例では D4) を右クリックして寸法の名前を変更します。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/a9b2c328-78d8-49b1-a216-01d2.jpg
図 7 :SolidWorks のレイアウトで D4 (125 mm) を右クリック。


図 8 :D4 セルを右クリックして名前を変更。

なお、この例では、デフォルトのフィーチャー名と寸法名を引き続き使用します。次に、この *.SLDPRT ファイルを保存して閉じますが、バックグラウンドで SolidWorks の実行状態を維持するようにします。


図 9 :SolidWorks を起動したまま、どのパートも開いていない状態。


OpticStudio のダイナミック CAD リンク

OpticStudio でこの SolidWorks パートを開くために、その *.SLDPRT ファイルを適切な Zemax ユーザー データ フォルダに保存しておく必要があります。ユーザー データ フォルダ <…\Documents\Zemax\Objects> に、SolidWorks ファイル、Autodesk Inventor ファイル、PTC Creo Parametric ファイルそれぞれのフォルダがあります。


図 10 :PTC Creo Parametric、Autodesk Inventor、SolidWorks の各ファイルを収める Zemax ユーザー データ フォルダ。

これらのフォルダの場所は、OpticStudio の [設定] (Setup) タブ→ [プロジェクト環境設定] (Project Preferences) → [フォルダの設定] (Folders) で変更できます。


図 11 :OpticStudio の [プロジェクト環境設定] (Project Preferences) に表示されたユーザー データ フォルダ。

SolidWorks Files フォルダに保存した *.SLDPRT ファイルは、OpticStudio のノンシーケンシャル コンポーネント (NSC) エディタから開くことができます。そのためには、新たなノンシーケンシャル光学系を開きます。NSC エディタで [オブジェクト プロパティ] (Object Properties) を展開し、[タイプ] (Type) ドロップダウン メニューで[CAD パート : SolidWorks®] (CAD Part: SolidWorks®) を選択します。


図 12 :NSC エディタでCAD パート : SolidWorks を選択。

次のように適切な *.SLDPRT ファイルを選択します。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/b53e1b4c-09ab-4714-8a28-0e3d.jpg
図 13 :Lamp.SLDPRT を選択。

[OK] (OK) をクリックして新たな NSC シェーデッド モデルを開くとパートが表示されます。このコンポーネントは、SolidWorks で表示されていたものと同一の外観となっています。


図 14 :Lamp.SLDPRT による NSC シェーデッド モデル。

この例では、SolidWorks パート ファイルで使用されている単位がミリメートルになっていますが、これは OpticStudio で使用するレンズ ユニットのデフォルト設定です。Autodesk Inventor、PTC Creo Parametric、または SolidWorks のファイルを OpticStudio で開くと、そのファイルの単位が現在のレンズ ユニットと一致しているかどうかが自動的に判断されます。
単位が一致しないと警告が発行されます。混乱や間違いを防止するために、OpticStudio のレンズ ユニットと CAD プログラムの光学系単位として同じ単位を設定することを強くお勧めします。

OpticStudio で開いた CAD オブジェクトには、コーティング、材料、散乱関数などの光学特性を適用できます。また、NSC エディタのパラメータ列にパートの寸法を直接表示できます。[オブジェクト プロパティ] (Object Properties) を展開して [CAD] (CAD) 設定に移動します。ここには、*.SLDPRT ファイルに定義されているスマート寸法とコンフィギュレーションがすべて一覧表示されます。SolidWorks のコンフィギュレーション機能は、OpticStudio のマルチコンフィグレーション機能にきわめて良く似ています。このコンフィギュレーション機能では、1 つのファイルの中で同じパートに複数のバリエーションを定義できます。マルチコンフィグレーション オペランド SWCN を使用して、SolidWorks の機能と OpticStudio の機能を相互にリンクできます。このオペランドは、SolidWorks のコンフィギュレーション設定を制御します。

デフォルトでは、これらのパート寸法を NSC エディタでパラメータとして利用できるようになっていません。[SolidWorks® パート寸法名] (SolidWorks® Part Dimension Name) コンボボックスで寸法を選択して [表示] (Expose) をクリックすることで、どの寸法も NSC エディタで利用できるようになります。
Autodesk Inventor と Creo Parametric 向けにも、同様に寸法を利用できるようにする設定があります。


図 15 :NSC エディタでの CAD 設定。

この例では [全て表示] (Expose All) ボタンをクリックします。これにより、ダイナミック変更ですべての寸法を NSC エディタで利用できるようになります。


図 16 :NSC エディタに表示された CAD 寸法。

いくつかのパラメータを変更し、NSC シェーデッド モデルを更新すると、その変更が反映される様子がわかります。図 4 に戻って、SolidWorks のレイアウトでラベルを付与した寸法と照らし合わせると理解が深まります。


図 17 :OpticStudio での Sketch1 の寸法の変更。D2 を 10 mm から 15 mm、D7 を 70°から 80°にそれぞれ変更。


変更したファイルの保存

OpticStudio で CAD オブジェクトに適用した変更は、そのオブジェクトのネイティブ ファイル形式で保存できます。この例では、変更したオブジェクトを *.SLDPRT パート ファイルとして保存しますが、Autodesk Inventor の場合は *.IPT ファイル、Creo Parametric の場合は *.PRT ファイルとして保存します。そのためには、NSC エディタ ツールバーで、[CAD] (CAD) ツールのドロップダウン メニューから [変更した部品の保存] (Save Modified Part) を選択します。


図 18 :NSC エディタ ツールバーの CAD ツール。

変更したオブジェクトは、新しいファイルに保存できるほか、元の CAD ファイルと同じファイル名で保存することもできます。この場合は元のオブジェクトが上書きされます。オブジェクトを新しい CAD ファイルとして保存しても、現在 OpticStudio で使用している CAD ファイルは、その新しいファイルに自動的には置き換わりません。現在の CAD ファイルを別のファイルに変更するには、[オブジェクト プロパティ] (Object Properties) の [タイプ] (Type) 設定に戻り、新たに作成した CAD ファイルを [データ ファイル] (Data File) ドロップダウン メニューで選択します。

変更したパート寸法を保存できるほか、コーティングや材料など、OpticStudio で割り当てたあらゆる光学特性もネイティブ CAD ファイルに保存できます。図 18 をもう一度参照するほか、[CAD アセンブリ/部品のプロパティの保存] (Save CAD Assembly/Part Properties) オプションの説明も参照してください。SolidWorks では、[ファイル] (File) → [プロパティ] (Properties) メニューの [コンフィギュレーション特有] (Configuration Specific) タブで光学特性が保存されます。Autodesk Inventor では、[iProperties] ダイアログ ボックスの [Custom] タブで光学特性が保存されます。PTC Creo Parametric では、光学特性が Annotation Note として保存されます。[Model Tree Filters] メニューの [Display Annotations] をチェックしていれば、パートまたはアセンブリの [Model Tree] の下に [Annotation Notes] が表示されます。Autodesk Inventor および SolidWorks では、光学特性の名前が「OpticStudio」で始まりますが、Creo Parametric の Annotation Note の名前は文字 Z から始まります (Creo Parametric では、特性全体がノート名ではなく、ノートのテキストで示されます)。

作成元プログラムに保存される情報は、そのプログラム自体にとっては何の意味もなく、単に参考として提供されます。
しかし、その後この同じファイルを別の OpticStudio による設計にロードすると、このファイル内の特性情報が読み出され、新しい OpticStudio による設計内で、そのオブジェクトの光学特性として割り当てられます。

以下のスクリーンショットは、変更した SolidWorks パートを OpticStudio で表示したものです。
この SolidWorks パートには MIRROR 材料があり、ランプの内面には散乱特性が割り当てられています。ランプの内部に点光源のアレイを置いて複数の白色 LED の配置をシミュレートし、得られたトゥルー カラー放射照度分布をディテクタ (色) で表示します。この例は、この記事の添付ファイルに *.ZAR アーカイブ ファイルで保存されています。


図 19 :ディテクタ (色) 上の光線追跡データを表示した NSC シェーデッド モデル。この SolidWorks パートには、いくつかのフェイスに割り当てられた光学特性があります。


まとめ

ダイナミック CAD リンク機能を使用すると、SolidWorks の *.SLDPRT ファイル、Autodesk Inventor の *.IPT ファイル、PTC Creo Parametric の *.PRT ファイルを、OpticStudio でノンシーケンシャル光学系に取り込むことができます。これらのプログラムと OpticStudio とのダイナミック リンクにより、パートの寸法をパラメータで変更できます。CAD データ交換の静的な特性を考慮すると、これは望ましい手法です。この機能を使用することで、光学設計部門と機械設計部門が、異なるファイル形式間の変換を必要とせずに、同じ機械部品でシームレスに作業することもできます。

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