写真のようにリアルな像を生成する方法


写真のようにリアルな像を生成する方法

Author
Message
Zemax_Japan
Zemax_Japan
Forum Member
Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)Forum Member (1K reputation)

Group: Administrators / Zemax Staff
Posts: 257, Visits: 2.8K
概要 :この記事では、高解像度の .BMP 画像または .JPG 画像を入力として、そこから発した光線をシーケンシャル光学系で光線追跡する方法について解説します。出力として得られる、写真のようにリアルな高解像度画像は、最終的な光学系性能を示す説得力のある証拠となり、光学の専門家以外に性能を伝える際に効果的です。

著者 :Mark Nicholson

公開日 :2006 年 7 月 31 日

サンプル ファイル :Photorealistic Files

対象 :シーケンシャル光線追跡 - 解析機能



はじめに

Zemax Development Corporation は、多くの有益な意見交換を通してこの記事の執筆に協力いただいた Davin Optronics 社の Eddie Judd 氏、およびテスト用画像の使用を了承いただいた、同じく同社の Robin Hull 氏に謝意を表します。

光学の専門家ではない顧客向けに、何らかの結像光学系の設計を引き受けているとします。
ここでは、シングレット構成、ダブレット構成、およびエレメント 5 個構成の接眼レンズを製作できる可能性があります。これらの設計には、それぞれ独自の価格と性能のバランス条件があります。

顧客にとって、価格は容易に理解できる要素です。一方、ビネッティング、像面湾曲、非点収差などの特性を、光学に明るくない顧客に伝えることは容易ではありません。
Zemax の幾何学的ビットマップ像解析 (GBIA) は、構築したレンズを通して画像がどのように見えるかをこのような顧客に示すうえできわめて効果的なツールです。横収差図などよりはるかに直感的に性能の高さを伝えることができます。

バージョンに関する注意事項 : GBIA は長年にわたり Zemax で提供してきた機能です。
2006 年 8 月以降のバージョンでは、サンプリング アルゴリズムが大幅に改善され、これまでより少ない追跡光線数で、より高い S/N 比の結果が得られるようになりました。この記事は、2006 年 8 月時点のリリースを使用して執筆しています。これより前のバージョンを使用している場合でも同じ結果が得られますが、計算時間は大幅に長くなります。

最終像面から遠く離れた中間面上の像を評価する必要がないならば、画像シミュレーション機能の方が GBIA 機能よりも一般的に優れており、はるかに短時間で S/N 比が高い結果が得られます。



幾何学的ビットマップ像解析の概要

シーケンシャル光学設計の最適化または公差解析では、物体面上の無限小の点で光学系が示す応答を評価する各種の解析機能を使用して、その性能を評価することが普通です。横収差図、OPD プロット、MTF、PSF などの機能が数多く用意されています。幾何学的ビットマップ像解析では、物体面に高解像度の物体シーンを配置し、波長、視野、アポダイゼーション、光源の明るさに適切な重み付けを適用して、このシーンからの光線を追跡できます。この概念図を以下に示します。



{この図は Zemax のノンシーケンシャル モードで生成されています。詳細は、この記事の最後のページを参照してください。}

この物体シーンは、.BMP ファイルまたは .JPG ファイルを使用した光源ビットマップで表します。光線は、物体側で定義したアパチャーと視野を使用して光学系の瞳に向けて伝搬し、像面 (または他の指定した面) まで追跡されます。検出面には、光線を受光して、レンズを通して見た光源ビットマップの像を再構築するピクセル構成のディテクタを配置します。
この像には、すべての収差やアパチャーで発生するビネッティングが反映されるほか、必要に応じて薄膜コーティングやガラスによる吸収などの効果も考慮できます。

この機能では、通常のすべてのエディタ データのほか、2 種類の情報を Zemax に指定する必要があります。
第 1 の情報は、光源シーンのサイズと解像度です。ここに挙げた例では、解像度が 640x480 (VGA) で、所定の寸法を指定したカラー LCD の画面を光源として使用します。3 種類の光学系を通して、このシーンが VGA 解像度のディテクタ上に結像するようにします。使用する光源シーンは次の画像です。


幾何学的ビットマップ像解析 (GBIA) 機能の設定ダイアログで次のように設定します。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/798f0340-05a5-46ea-b2b2-b161.gif

設定方法の詳細については、ユーザ ガイドを参照してください。重要性が高い設定について、以下で簡単に解説します。
  • [Y 視野サイズ] (Field Y Size) は、光源ビットマップの Y 方向高さです。単位には、視野の測定に使用した単位を使用します。この例で視野に相当する数値は物体高 (mm) なので、物体面に形成されるビットマップの全幅は 13.8 mm です。X 方向の幅は、この値とビットマップのアスペクト比で決まります。
  • [パリティ] (Parity) を使用すると、像の方向が反転する光学系を考慮できます。必要に応じ、正立像が得られるように像を再反転する場合に使用します。
  • [入力] (Input) には、使用する光源シーン (.bmp または .jpg) を指定します。このファイルは {Zemaxroot}/imafiles フォルダに置く必要があります。
  • [光線/ピクセル] (Rays/Pixel) では、各ピクセルから追跡する光線の数を指定します。大きい値を指定すると信号対雑音比が向上しますが、演算に要する時間は長くなります。この機能が正しく動作するように設定するだけであれば、通常はピクセルあたり 1 本の光線とすれば十分です。ピクセルあたり 10 本の光線とすると短時間で結果が得られ、100 本とするときわめて良好な画質の画像となり、1,000 本以上とすると写真のようにリアルな像が得られます。
  • [X ピクセル] (X-Pixels)、[Y ピクセル] (Y-Pixels)、[X ピクセル サイズ] (X Pixel Size)、[Y ピクセル サイズ] (Y Pixel Size) では、ディテクタのサイズと解像度を定義します。
  • [ソース ビットマップを表示] (Show Source Bitmap) を選択すると、入力シーンがレンダリングされます。上記の画像の生成には、このオプションを使用しています。
  • [出力] (Output) では、GBIA 機能で得られた結果の出力先とする .jpg ファイルまたは .bmp ファイルを指定します。解析ウィンドウに表示される像は、使用しているモニターの解像度の下で見た像なので、大幅にダウンサンプリングされた表示やモアレが発生した表示になっている可能性があります。したがって、解析結果がファイルに保存されるようにしておくことが重要です。また、このオプションを指定しておけば、解析結果を保存せずに誤って解析ウィンドウを閉じてもデータを失うことがありません。



添付の zip ファイル (この記事の最後のページでダウンロードできます) には、シングレット構成、ダブレット構成、エレメント 5 個構成の各接眼レンズの設計である 3 種類のファイルが収録されています。これらのレンズは、最適な設計を示すことを目的としたものではありません。実際、このシングレット構成とダブレット構成は、GBIA 機能による効果を示すために、意図的に不十分な性能の設計としています。

次の図は、このシングレット レンズで結像した光源ビットマップです。



この像は、ピクセルあたり 10 本の光線とした設定で生成し、その実行には 1.6 GHz の Pentium-M を搭載したノート PC で 5 秒を要しています。ピクセルあたりの光線数を 100 本とすると、約 40 秒の実行時間で以下の結果が得られます。



周辺像に明確なディストーションが現れるとともに、ビネッティングによって周辺像が暗くなっていることもわかります。
像面湾曲と非点収差により、像の中心から離れるに伴って結像品質が急激に低下しています。ダブレット レンズに切り替え、ピクセルあたり 100 本の光線として追跡すると、以下の結果が得られます。今回も実行時間は 40 秒程度です。



中心部のディテールはある程度解像できるようになりましたが、この設計でもディストーションと像面湾曲の影響が目立ちます。この程度の性能向上では、ダブレット化によるコスト増加に見合う効果として評価されないことが予想できます。

エレメント 5 個構成の接眼レンズは大幅に最適化されています。その結像結果は以下のとおりです。



結果は明らかに改善されています。ディストーションは解消され (後ほど示す高解像度の像では、まだ高次のディストーションがある程度認められます)、像面湾曲も見られません。染みのようにしか見えなかった右下隅の女性もはっきり識別できます。

このレンズは 5 つのエレメントを使用し、その解析ではレイ エイミング機能も有効にする必要があるので、光線追跡に要する時間は前のシーンと同じノート PC で約 5 分になります。ここで、CPU を 2 個搭載したマシン (物理的な Pentium 4 プロセッサを 2 個搭載し、さらにハイパースレッド機能も使用することで、見かけ上 4 個の CPU を搭載したマシンとして動作します) を使用し、ピクセルあたりの光線数を 1,000 本とした GBIA 機能で光線追跡すると、約 20 分で以下の結果が得られます。

http://forum.zemax.com/Uploads/Images/007c75c9-e820-416f-a1e4-0e51.jpg

Zemax はきわめて高度なマルチスレッド化を採用しているので、1 群の光線を 1 つのプロセッサで追跡しながら、他のプロセッサで別の光線群を追跡できます。最新のマルチ CPU、マルチコア マシンの特性を最大限に引き出して動作します。
詳細については、こちらの記事を参照してください。

この像は、光源に使用した元の画像とほとんど区別できません。ただし、640x480 ピクセルの画像を、640x480 よりはるかに小さいサイズのウィンドウに表示しています。GBIA 機能で自動的に保存された、本来の .jpg ファイルの画像は以下のとおりです。



これは光線追跡の結果として得られた画像であり、光源に使用した元の画像ではありません。高品質な写真用出力紙に印刷すれば、実際の光学系が写真のようにリアルな印象を再現できる性能を有することを証明できます。実際、出力結果と元のビットマップとの間に差異が発生する要因は、光学系そのものよりもディテクタの解像度にあるので、この出力はディテクタで捉えた像そのものであるといえます。


その他の用途と注意事項

デジタル カメラ (CCD ディテクタを備えたカメラ) の設計には、フィルムを使用するカメラの設計よりもはるかに有利な点があります。フィルム カメラのレンズはフィルム面に直接高品質の像を生成する必要があり、後処理による像質の改善は望めませんカメラのディテクタが CCD チップで、そのカメラがコンピュータを搭載していれば、像を電子的に後処理して収差を補正できる余地が広く残されています。

最も簡潔な例としてディストーションの補正があります。
ディストーションは像の位置にのみ影響を与え、像質には影響しないので、電子手段で除去できます。これにより、レンズ設計では顕著な収差を最小化する必要性が低くなります。その他の収差の補正に関しても、レンズの OTF に関する知識を踏まえて、多くの取り組みが進められています。GBIA 機能を使用すると、高価な試作品の光学系を作成する前にこのような像補正アルゴリズムを検証できます。

この機能は、最近、実行速度を高速化する改善が実施されたので、この解析作業をほぼリアルタイムで実行できるようになっています。
GBIA では回折を考慮していません。回折の効果が重要な場合は、GBIA ではなく、回折像解析や拡張回折像解析の機能を使用します。

最後に、必要に応じて同じ計算をノンシーケンシャルで実行できることも紹介します。単色像が必要な場合にこの機能が特に効果的です。ノンシーケンシャル SLIDE オブジェクトを使用すると、光学系に .bmp 画像または .jpg 画像のグラフィックを配置できます。このオブジェクトはハイブリッド モードでも使用できるので、シーケンシャル光学系の任意の位置にスライド オブジェクトを配置することもできます。

これらの計算をノンシーケンシャル モードで実行すると、以下のような利点があります。
  • ノンシーケンシャル モードでは、現実性が高い形態で光源をモデル化できます。たとえば、Radiant Sources のような実測光源データを使用できます。光源のモデル化の詳細については、こちらの記事を参照してください。
  • ゴースト瞳およびゴースト像によって最終的な像に発生する影響を確認できます。
  • 光学系の機械部品による光の反射で発生する光学機械的な迷光の効果を考慮できます。

不利な点は主に計算速度にあります。ノンシーケンシャル光線追跡はシーケンシャル光線追跡よりも本質的に低速です。また、CAD オブジェクトの光線追跡は、パラメトリック光学オブジェクトの光線追跡よりも低速です。
その他の不利な点として、フルカラーの像を得るには、ディテクタで波長を一度に 1 つずつ追跡し、各波長のデータをエクスポートしたうえで、それらを再結合する必要があることが挙げられます (単色像を目的とするのであれば、この作業は不要です)。
したがって、はじめにシーケンシャル解析を実行する必要があります。シーケンシャル光学系で十分な性能が得られていないと、ノンシーケンシャル光線追跡でどのような機能を利用しても、結果を改善することはできません。ノンシーケンシャル光学系で考慮した効果によって性能が低下することが普通です。

GO


Similar Topics


Login
Existing Account
Email Address:


Password:


Select a Forum....



































Zemax Users Forum


Search